ウイルスを実行してしまった場合の被害としてよく言われるのは、パソコン内の他のファイルに感染する他のユーザにウイルス添付メールを送信するといったことです。
これらだけ聞くと「それほど大した事は無い。パソコンをフォーマットしたり、ウイルスを送ってしまった人たちに謝ったりすれば済むだろう。」と考えるかもしれません。
しかし被害はこれらだけにとどまりません。基本的にウイルスは何でもできます。ユーザや通常のプログラムがパソコン上で行える事はウイルスもできるのです。
しかもウイルスは年を追うごとに悪質になっています。感染したパソコンに被害を及ぼすだけではなく、そのパソコンから情報を盗むウイルスが増えています。
あなたの個人情報やクレジットカード番号、会社の業務で作成した重要書類が盗まれる恐れがあるのです。
情報は一度流出するとコントロールできません。
知らないうちにインターネット上の掲示板で公開されている可能性があるのです。
具体的にどのような被害をもたらすのかというと
例えば、「Klez」や「Sircam」、「Magistr」といったウイルスは、自分自信をメールで送信するだけでなく、パソコンからランダムに選択したファイルも添付します。
送信先のユーザがウイルス対策ソフトを使用していれば、ウイルスファイルは削除されますが、一緒に添付されたファイルを削除されません。相手の手元に届いてしまいます。
このファイルが業務に関係するファイルだったら、人には決して見られたくないファイルだったら大変なことになります。
「今使っているパソコンには大した情報入っていない。フォーマットされても、ファイル盗まれても別に困らない。」というユーザでも、「ウイルスに感染すると、ECサイトでショッピングするときにクレジットカード番号を盗まれる」と聞けばどうでしょうか?
「Fizzer」や「Bugbear」、「Badtrans.B」が仕込む「キー・ロガー」はキー入力を記録する機能を持ちます。
キー・ロガーを仕込むウイルスに感染すると、カード番号ばかりではなく、様々なパスワードも盗まれる恐れがあります。
最近ではバックドア仕掛けるウイルスが増えています。
バックドアを仕掛けられると、あなたのパソコンはインターネット経由でリモートから操作されてしまいます。
その結果、あなたのパソコンが踏み台にされて、他のパソコンやウェブサイト攻撃する恐れもあります。
その時、攻撃先はあなたのパソコンから攻撃があったと思うでしょう。
現在、常駐しているウイルス対策ソフトやパーソナル・ファイアウォールを停止させるウイルスもあります。
ただし、こういった機能を持つウイルス対策ソフトで検出できないということではありません。
そのウイルスに対応したウイルス定義ファイルを使っていれば、ウイルスが対策ソフトを停止させる前にウイルスを検出してその動きを止めます。
ウイルス定義ファイルとは既に発見されたウイルスの特徴を収めたデータベースファイルのことです。
このファイルを照合することで、ウイルス対策ソフトは検査対象のファイルにウイルスが感染してるかどうか、そのファイルがウイルスかどうかを判断します。
ウイルスは何でもできます。ウイルスはあなたのパソコンを乗っ取れるのです。ウイルスの被害を決して過大評価してはいけません。
今後、より高機能のウイルスが出現することがも充分予想されます。「たかがウイルス」と考えていると大変なことになります。