ビジネスフォンの導入には、電話機本体や主装置(PBX)の他に、専門の工事が必要となります。
機器購入費用の他に工事費用も掛かるのであれば、自分たちで工事できるかな?と考える方もいらっしゃいますが、ビジネスフォンの導入には資格保有者の工事が必須で、素人が自由に行うことはできません。
ビジネスフォンの工事には、国家資格である「工事担当者」の有資格者が施工、もしくは監督する必要があるのです。
というのも、一般の電話(家庭用)とは異なり、ビジネスフォンは電話機同士をつなぐ主装置(PBX)は設定が非常に複雑で、電話配線工事等も必要になる為、電話線を買ってきて繋ぐだけで機能するものではないためです。
「工事担当者」にも、様々な種類があり、有している資格によって作業できる範囲は限られてきます。
この記事では、電話工事に必要な資格「工事担当者」の種類や、資格を取るための方法、できる仕事の範囲について解説いたします。
電話工事には「工事担当者」の資格が必要
「工事担当者」の資格は、総務省所管の法令で定められた国家資格で、電気通信回線と端末設備などを接続するために必要とされる資格です。
冒頭でも触れたように、社内でビジネスフォンを設置する場合、資格のない社員に設置を任せると電気通信事業法違反になってしまいます。
より満足度の高いサービスを顧客に提供するために、工事担当者の取得を推奨している企業も多く、「安全で確実」な工事を行う信頼性の高い企業として、広くアピールしているようです。
工事担当者を取得すると、アナログ電話回線やデジタルデータ回線(IPネットワーク)など、様々な端末設備などを接続する工事を行ったり、監督することが可能になります。
ただし、具体的な工事の範囲は、資格の種類によって異なります。資格と業務の範囲について、次の項で詳しく見ていきましょう。
工事担当者の資格は7種類
「工事担当者」は以下の7つに細分化され、それぞれ業務の範囲が異なります。
AI第1種
AI種はアナログ回線の工事が可能な資格です。なかでも第1種は、アナログ電話回線と端末設備及び全てのISDN回線(デジタル回線)への接続工事が行えます。
回線数や工事の規模などに制限はなく、幅広い工事を行える資格です。
AI第2種
第1種と同様に、アナログ伝送路設備に端末設備などを接続する工事(電気通信回線の数が50以下、かつ内線の数が200以内のものに限る)および、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が64kbps換算で50以下のものに限る)が行える資格です。
AI第3種
第1種、第2種と同様に、アナログ伝送路設備に端末設備などを接続できますが、アナログ電話、ISDNいずれの場合も、回線数は1つに限定されています。
主に家庭内もしくは同等規模の接続工事が想定されますが、回線数が1つの場合でも、端末については技術基準の範囲内であれば複数の台数が設置可能です。
DD第1種
DD種は、デジタル回線、いわゆるブロードバンドインターネット、広域イーサ等のデジタルデータ伝送サービスに関わる接続の工事が行える資格です。
電気通信回線の速度(規模相当)またはサービスのグレード等に応じて、第1~3種が設けられています。
DD第1種の資格保有者であれば、LANケーブルの配線、高速通信のネットワーク接続なども施工可能です。
DD第2種
ISDNを除く毎秒100メガビット以下のデジタル回線への接続工事が行える資格です。
大企業ではなく、中規模・小規模の営業所やオフィスでの接続工事が想定され、インターネット接続意外の用途を持つ回線(IP電話ネットワーク、広域イーサネット、DDXなど)への接続工事が可能となります。
DD第3種
第1種、第2種と同様、ISDNを除くデジタル回線の接続工事が行えますが、主に家庭、SOHO向けの回線速度が1ギガビット/秒以下のインターネットに接続するための小規模な工事に限られています。
AI・DD総合種
AI種、DD種全ての範囲を含み、全ての工事を網羅しているのがAI・DD総合種です。
この資格を持っていれば、ビジネスフォンの設置工事だけでなく、大規模なオフィスでのLANケーブルを使ったネットワーク接続なども担当できます。
AI第1種とDD第1種両方の取得者は、申請によってAI・DD総合種の資格証明書が取得できます。
資格を取得したら工事できる?
ビジネスフォンの工事にあたって、社員の誰かに工事担当者の資格を取らせればよいのではないかと考える経営者は少なくありません。
専門業者に工事を依頼するよりも手間が省け、安価で工事が行えるためです。
工事担任者の資格取得には受験資格がなく、誰でも受験することは可能です。
ただし、合格率の目安はもっとも難易度の高いAI・DD総合種で20%前後となり、それなりの勉強が必要と言えます。
また、社員が資格を取得したからといって、すぐに工事を任せられるわけではありません。電話線やLANケーブル、専用の工具の選定など、ある程度の経験が要求されます。
誤った操作やデータの変更で元に戻せなくなってしまう事態が起きるリスクや、ビジネスフォンのメーカーにより接続・設定方法が異なるケースもあり、全ての工事が一律で行えるわけではないからです。
こういった複雑で専門的な工事は、ビジネスフォンの専門業者に任せるのが一番です。
オフィス電話本舗でも、ビジネスフォンの導入から付随する工事、メンテナンスまで一貫した対応が可能です。
ビジネスフォンの導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ビジネスフォンに詳しい専門スタッフが、お客様のニーズに合わせたご提案をさせて頂きます!