DX(デジタル・トランスフォーメーション)が目覚ましい現代、IT知識はもはや、業務の遂行に欠かせない存在となっています。こういった中で注目されているのがITパスポート試験です。
最近では金融業界をはじめ、企業の社長自ら取得するなど、あらゆる業界でITパスポート試験を受験するビジネスパーソンが増えています。
本記事では、ITパスポート試験とはなにか、その試験の難易度や合格率、おすすめの勉強方法などについて解説します。
ITパスポート試験とは
ITパスポート試験(略称:iパス)は、年間約20万人が受験するいま注目の資格で、ITに関する基礎的知識を証明する経済産業省認定の国家試験です。
IT系の国家試験では入門レベルになり、近年の合格率は50%前後と、他の国家資格と比べるとそこまで難しくない試験と言えます。
「IT」と頭にありますが、実際にはITに関することだけでなく、企業法務や経営戦略マネジメント、コンピュータシステムなど多様な分野から出題されます。
合格に必要な勉強時間は、IT知識のない人の場合は180時間、基礎知識がある場合は100時間程度が目安といったところです。
ITパスポート試験を受けるメリット
-ITに関する基礎知識を持っていることを証明できる
-ITスキルの入口になる
-MOSとの違い
-ITに関する基礎知識を持っていることを証明できる
コンピュータシステムやネットワーク、ソフトウェアやコンピュータのシステム構成要素、セキュリティなど、ITの基礎知識が身につくため、社内外での円滑なコミュニケーションに役立ちます。
また、インターネットを使用した業務では、ITの知識を活かして社内でより貢献できるようになるでしょう。
ITパスポート試験は、多くの企業や官公庁・自治体で社員のITの知識力向上に活用されています。
最近では、エントリーシートでITパスポートの取得を確認したり、社内研修にITパスポートを活用したり、合格した社員には奨励金を支給するなど、ITに関する知識を重要視している企業は多く、就職や転職活動をはじめ、社内でのブラッシュアップにも役立つ資格といえます。
-ITスキルの入口になる
ITパスポート試験が含まれる情報処理技術者試験は、難易度により12の試験に分けられています。
ITパスポートの難易度は低く、ITスキルのはじめの一歩と言って良いでしょう。
ITパスポート取得後に次のステップを目指すとしたら、IT情報セキュリティの知識に特化した「情報セキュリティマネジメント試験」や、もしプログラマーやエンジニアを目指すなら、ITエンジニアとしての登竜門である「基本情報技術者試験」もおすすめです。
-MOSとの違い
ITパスポートは国家資格であるのに対して、MOSは、マイクロソフト社が認定する民間資格です。
MOSは、Word・Excel・PowerPointなどを実際に使いこなすスキルを証明する資格となり、実技試験が行われます。ITパスポート試験は4肢択一式による試験で、実技試験は行いません。
即戦力として実務能力が求められる場合には、MOSの方が重宝される傾向があります。
ITパスポート試験合格の難易度
-ITパスポート試験の難易度は比較的低め
ITパスポート試験の合格率は約50%前後と、情報処理技術者関連の試験の中でも比較的
合格しやすいとされています。ただし、出題範囲は多岐にわたるため、しっかりと学習計画を立てることが大切です。
ITパスポート試験のサイトで公開している過去問題集やCBT疑似体験ソフトウェアを利用したり、参考書や動画サイトを活用したりしながら効率よく学習を進めることで合格が目指せます。
ITパスポート試験公式サイト
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
-学生より社会人の方が有利
ITパスポート試験は、ITそのものの知識だけでなく、ビジネス用語や経営に関する知識も問われるため、すでに実務の経験がある社会人の方が有利といえるでしょう。
たとえば2021年4月から10月までの受験者数・合格者数・合格率からみると、社会人の合格率は60.6%、対して学生の合格率は42.5%と、社会人の合格率の方が高いことがわかります。
学生の場合は、ITパスポート試験範囲の中でも、ビジネス分野の勉強に力を入れれば合格の可能性が上がるでしょう。
まとめ
ITパスポート試験は、IT業務に活用するために、ITに関する基礎的知識を証明する経済産業省認定の国家試験です。IT系のスキルの入口といえる基礎知識を効率良く学ぶことができ、短期間で知識を得たい方におすすめです。
ITパスポート試験を採用の評価対象としている企業もあり、パスすることで就職や転職の際にアピールポイントになります。また、ITに関する知識を重要視している企業は多く、社内での評価にも繋がります。
ITの多様な知識や技術を学びたい人は、まずはITスキルの入口となるITパスポート試験に挑戦してみることをおすすめします。