携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、固定電話を持つ家庭が減って来ましたが、オフィスや工場など、ビジネスシーンでは固定電話(ビジネスフォン)を活用している会社が多いと思います。
電話加入権という言葉をご存知ない方もいるかもしれませんが、そもそも電話加入権とはどういったものでしょうか?
新オフィスに電話を引きたい、電話加入権を有効活用したい、という場合は電話加入権が必要なのでしょうか?
この記事では、電話加入権とは何か、ビジネスフォン導入の際にも必要なのか、解説して行きます。
電話加入権とは
電話加入権は別名「施設設置負担金」とも呼ばれ、簡単に言うと、NTT東日本、もしくはNTT西日本に料金を支払うことで固定電話の回線を利用できる権利のことです。
そもそも戦後に日本電信電話公社が、電話回線を引くための電柱や電線を整備する資金調達のため、施設設置負担金の支払いをお願いしたことがきっかけになります。
ちなみに固定電話の電話加入権の価格は、以前は72,000円(税抜)でしたが、携帯電話の誕生などにより見直しされ、2005年3月1日からは36,000円(税抜)に引き下げられました。
この施設設置負担金を支払うことで電話を使用することができるようになり、一般的に「電話加入権を購入する」という行為になります。
電話加入権は回線ごとの購入となるため、ビジネスフォンで電話加入権が必要な外線を複数契約する場合は、回線数に合わせて電話加入権を購入する必要があります。
ビジネスフォンに電話加入権は必要か
以前は電話回線をひくためには電話加入権が必要でしたが、現在は必ずしも必要というわけではありません。電話加入権不要のIP電話(ひかり回線など)の回線サービスが出てきたためです。
IP電話(ひかり回線など)は、インターネット接続を利用した回線で、月額利用料や通信料も安めの設定をされているのが特徴で、導入費は1/10・通話料金も1/2~1/3程度に抑えられます。
つまり、わざわざ電話回線をひかなくても、IP電話(ひかり回線など)のようにインターネット回線があれば、安い通話料で電話をかけることができます。
ただしインターネット環境がない場合は、ネット回線の契約費用が必要になるので注意が必要です。
IP電話のメリット
IP電話には以下のようなメリットがあります。
・電話番号が簡単に入手できる
・料金が安い
・050 IP電話の無料通話が可能
・既存の固定電話との併用が可能
-電話番号が簡単に入手できる
固定電話では電話加入権を購入する必要がありますが、IP電話では必要ありません。
050番号は無料で取得することができ、0ABJ番号(全10桁の電話番号の形式)も安価に取得できます。
-料金が安い
IP電話サービスは固定電話と比べて、基本料金・通話料金が格段に安いのが特徴です。
IP電話の通話料金は全国一律料金ですが、たとえば県外への3分間の通話料金では、IP電話だと約8円ですが、固定電話では約20円かかります。
機器をレンタルしている場合は別途レンタル料がかかりますが、基本料金の必要な固定電話回線と比べ、一般的に月々の料金は安くなるため、小規模な事業所でも導入しやすいサービスといえます。
-050 IP電話の無料通話が可能
050 IP電話同士の場合、プロバイダが同じ、もしくは提携プロバイダ間なら通話料金がかかりません。
電話代が大幅に抑えられるため、企業でも多く利用されています。
IP電話のデメリット
050 IP電話のデメリットもあります。
電話番号が変わる、かけられない電話番号がある、高速での移動中は通話が途切れる、通信回線が切り替わると電話が切れる、ということです。
複数のWiFiを使用している広いオフィスでの使用をはじめ、室内から屋外へでるときや、乗り物での移動中などは、通信が遮断されることがあるので、注意が必要です。
※かけられない電話番号:緊急通報(110/118/119など)、フリーダイヤル(0120)や特殊番号(0570/0990など)
まとめ
電話加入権の仕組みや、IP電話についても解説させて頂きました。
必ずしも電話加入権を購入する必要はなく、ひかり回線などのIP電話サービスを利用することで、低料金でビジネスフォンを導入することも可能です。
ぜひ自社に合った回線を選び、効率よく、低コストでビジネスフォンを導入しましょう。
回線選びに悩んだら、ぜひお気軽にオフィス電話本舗までご相談ください!