IP電話とは
IP電話は簡単に表現すると、Internet Protocol、つまりインターネットを通じた電話での通話ができるサービス全般を指します。
IP電話サービスは、主にインターネットの接続を行うプロバイダーによって提供されており、携帯電話や固定電話機でも利用可能です。
分かりやすいもので言うと、LINEやSkypeなどのアプリを使用した通話もIP電話のひとつです。
また、050で始まる電話番号をはじめ、03や06など市外局番で始まる電話番号でもIP電話の技術を使用していることもあります。
一般的な電話が音声通話のみなのに比べ、テレビ電話のようなビデオ通話も可能なのがIP電話の特徴です。最近では、プロバイダフリーやIP電話アプリといった、プロバイダーにとらわれないサービスも出てきています。
IP電話と固定電話の違い
IP電話と固定電話の違いは、以下のようなものがあります。
・接続工事がない
・距離による通話品質の劣化がしにくい
・低価格で使用できる
従来の固定電話の仕組みは、言わば糸電話の発展形です。
糸の代わりに銅線を使うことで遠くまで音声を届け、さらに基地局を経由させることで、日本全国で使える電話サービスを展開しています。
しかし、距離の長さに比例して通話品質が落ち、通話料が高くなってしまうという弱点があります。
一方IP電話は、音声をデジタルデータに変換してからインターネット回線を通して相手の元に送ります。相手に届いた時にデジタルデータを音声に変換処理されるので、通話品質が安定しており、料金の変動もありません。
IP電話のメリット
-運用しやすい
IP電話共通のメリットは、運用が楽なことです。
従来の固定電話だと電話加入権を購入するなど手続きが煩雑ですが、IP電話であれば簡単に番号の追加、削除が可能です。
LINEやSkypeなどのアプリケーションを用いて通話するタイプのIP電話の場合は、そもそも電話番号が不要です。
-低価格で使用できる
IP電話の最大のメリットとしては、低価格で使用できることです。
LINEやSkypeなど同じアプリ同士の通話料が無料になるように、IP電話でも同じ電話会社同士だと無料になることが多いです。
月額基本料も低めの設定となり、固定電話では2,000~3,000円程度ですが、IP電話では無料の場合もあり、毎月ビジネスフォンにかかるコストを削減することも可能です。
-スマートフォンとの併用が可能
たとえばスマートフォンの電話番号とは別にIP電話の番号を取得し、1台のスマホで2種類の電話番号を使い分けることも可能です。IP電話はPCやスマホなどのブラウザ機能を介して発着信を行うことができるため、新規に電話端末を用意したり回線工事をする必要はなく、現在の端末でも使用可能なのです。
-システムとの連携が可能
IP電話は、メールやチャットアプリをはじめ、様々なシステムと連携ができます。
たとえば電話帳機能、顧客情報管理機能、受電履歴などの情報システムと連携させれば、電話が来たらすぐに相手の情報がわかるようになるため、ビジネスフォンとしても様々な活用が可能です。
IP電話のデメリット
IP電話の場合、110番、119番などの緊急電話ができないというデメリットがあります。
いざという時のために、スマホや固定電話など、別回線を用意しておくと安心です。
-電話番号が変わってしまう
固定電話は県内であれば電話番号の引継ぎができたり、スマホもナンバーポータビリティ制度(今の電話番号そのままで他社に乗り換えることができるサービス)がありますが、IP電話にはそういったサービスはありません。そのため、IP電話会社を変えると電話番号が変わってしまいます。
ビジネスフォンの電話番号の変更となると引継ぎや通知が大変になるので、契約する会社は慎重に選びましょう。
-通信状況によって音質が変わる
通話品質・音質が劣化しにくいIP電話とはいえ、インターネット回線を経由しているため、たとえばインターネットの接続状況が悪い、スマホのデータ容量がオーバーして低速モードに切り替わっている、基地局が災害による被害を受けているときなど、通話品質が安定しないことがあります。
IP電話会社によっては、通信環境が良くないこともあります。料金が安いからといって安易に決めないよう、注意しましょう。
-サービスによってアプリのインストールが必要
LINEやSkypeなど、特定のアプリを介した通話の場合は、お互いがアプリをインストールしている環境が必要になります。端末によってはうまく作動しないこともあるので、多くのユーザーが様々な端末で使用しているシェアが高いアプリを選ぶと比較的安心でしょう。
まとめ
IP電話について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
低価格で工事の必要もなく簡単に使用できるIP電話ですが、緊急電話ができない、電話番号が変わってしまう、などのデメリットもあります。
仕組みや違いをしっかり理解すれば、ビジネスフォンの通話料を下げつつ業務効率アップにも繋がります。
オフィス電話本舗でもIP電話のご相談が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。